
見てきました。感想です。
自分が死んだあとのことを決めるのは自分ではなく
その死が訪れるのはある日突然だったり
予期していても受け容れられないものだったり
あるいは無意識のうちに悟っていたり。
失った命、もう還ることのないその命に
抱く感情はさまざまだけど
「送る」儀式を行うのは遺された人たち。
納棺師という、名前は知りませんでしたが
そういうことをする人がいるというのは何となく知っていて
この映画の中でその「仕事」を見ながら考えていたのは
今までに経験してきた身近な人の死とか
自分や自分の家族が死んだときの想像とか。
堪えきれない涙が出て仕方がなかったのは
単なる死の悲しみだけじゃなく
人、命への愛情と尊厳をそこに感じたから。
多くの説明は必要ないですね。
そうした、棺に納める人も「おくりびと」なら
“最後の最後”に、逝く人の顔を見て扉を閉じ
空へ旅だたせる人も「おくりびと」。

色々考えさせられ、感じましたが
この映画に出てくるお話の中で
理解・共感できないところはひとつもなくて
いつかは誰かをおくることになるだろうし
自分も誰かにおくられることになるだろうし
日々、誰かが誰かの死をおくる中で
新しく生まれ、繋がれていく命に未来と希望を感じて
ときおりのユーモアに笑い
ラストエピソードで心が癒されたあとは
エンドロールの向こう側で
その作法のいっさいを静かに行っている様子が見られました。
主演の本木くん自身が原作を読んで感銘し
映画に自分で志願したそうですが
本木くんの努力が感じられ
彼自身がこの納棺師の仕事とその意味を
真摯に受け止めている気持ちが伝わってくるようでした。
チェロの演奏もたくさん練習されたんでしょうね。
その優しい音色と、映画の中で使われていた山形弁のあたたかい語感が
悲しい場面、辛い場面を和らげてくれていたとも思います。
見に行って良かったと思えた映画でした。
2008/09/21(日) | 映画 |
トラックバック(31) |
コメント(10)
霞
涙・・・
>堪えきれない涙が出て仕方がなかったのは
>単なる死の悲しみだけじゃなく
>人、命への愛情と尊厳をそこに感じたから。
本当にそうですよね。
予想以上に泣きました(;_;)
本当に奥深い、いい作品だったと思います。
泣ける映画はいいんですけど、外で泣くと結構大変ですね・・・(汗)
モックンのチェロ、やっぱり本当に弾いてたんですよねぇ?
すごく上手でビックリしちゃいました。
納棺師って、今までお目にかかったことないですけど、
どれ位の割合でお目にかかれるんだろう?とか、
ちょっと考えてしまいました。。
この映画を見て、希望する人が増えそうですね。。
2008/09/25(木) 17:46:29 | URL | [ 編集]
ミマム
◆霞さん
私も、こんなに泣けて、そして笑える映画だとは思ってませんでした。
>泣ける映画はいいんですけど、外で泣くと結構大変ですね・・・(汗)
ですよねー。
私、結構、我慢しちゃうほうなんですけど
我慢できずに泣けてきてしまって、どうしていいかわからない状態でした(苦笑)
モックンのチェロは、本当に弾いてはいるけど
“音”は別だと思いますよ。
納棺師のお仕事にしても、素晴らしいものを見せていただきました。
2008/09/26(金) 19:25:36 | URL | [ 編集]
くう
良かったですね~
意外と笑えるシーンも多かったですよね。
そのメリハリが、また良かったです。
あのお仕事の描写もキレイでした。
尊い仕事ですよね。
モックンと山崎努さんの行う儀式が芸術のようでした。
私も、見て良かったと思いましたわ~。
2008/09/27(土) 23:46:27 | URL | [ 編集]
ミマム
◆くうさん
最初のセリフ 「ついてます」 には、しばらくわからなくて 「???」。
気づいたときに、笑っていいものかと思ってしまいました(笑)
>モックンと山崎努さんの行う儀式が芸術のようでした。
自分もこんな風に送ってほしいな~と、自然に思えてしまって…
見終えたあとも清々しい気持ちでした。
2008/09/28(日) 12:24:27 | URL | [ 編集]
みのむし
もっくんのしぐさにうっとりとしてしまうほど
でした。とても綺麗でしたね。
それでいて厳か!って言う言葉がぴったり。
でも人が生きていく上でいろんな生物を
食べているっていうことも描かれてて
なかなか奥が深い~。って思いました。
チェロと納棺の儀式の融合が見事でしたね。
2008/10/02(木) 20:40:04 | URL | [ 編集]
ミマム
◆みのむしさん
クリスマスのチキンが物語っていましたね。
でも、モックン妻が作ろうとしていた鍋の鳥は
リアルすぎて、そういう仕事をしていなくっても
ちょっと…って気はしました(笑)
いい映画でしたね。
2008/10/03(金) 19:22:02 | URL | [ 編集]
sannkeneko
もっとシリアスかと
重苦しい映画化と思っていたらそこそこ笑いもあって、
ただ家族であれ友人であれ納棺師であれ、
死を悼み見送るのは同じ。
様式美の美しさに見とれながらも色々と考えさせられた映画でした。
話題のチェロ演奏者は柏木広樹。
でもモックン・・・本木さんもサマになっていましたね。
私も大掃除と雪かきと大晦日まで平常の仕事で^^;
あちこち筋肉痛です。
良いお年を~♪
2008/12/30(火) 22:49:15 | URL | [ 編集]
ミマム
◆sannkenekoさん
私ももっと重厚な感じの映画と思っていたんですが
最初っから「あれれ!?」で笑わせてもらいました。
>話題のチェロ演奏者は柏木広樹。
柏木広樹さん、調べてみましたら…
Gクレフの方じゃあないですかっ!
うわあ~私、Gクレフで好きな曲あったんですよ~。
そうだったんだあ~。うわあ~うわあ~感動!
教えてくれてありがとうございます!
(一人で興奮してます。スミマセン)
sannkenekoさんも筋肉痛ですかあ。
私も何か…だんだん痛くなってきてるかも(^^;)
大晦日の仕事納め、頑張ってくださいね!
良いお年を♪
2008/12/31(水) 01:12:41 | URL | [ 編集]
aki
漸く・・・・
昨年公開時に見る予定が、キャンセルになって、
1週間前に漸く見ることができました。
人の「死」に携わるお仕事の人のお話なので、
もっと重く暗いトーンなのかと思っていましたが、
とっても美しい作品だったと思います。
音楽も、「納棺師」としての本木くんの所作も・・・
この映画に描かれているそれぞれの家族のエピソードも含め、
心の深いところに残る映画だったと思います。
機会があったら、もう1度見たいと思いました。
2009/02/17(火) 00:41:32 | URL | [ 編集]
ミマム
◆akiさん
>人の「死」に携わるお仕事の人のお話なので、
もっと重く暗いトーンなのかと思っていましたが、
とっても美しい作品だったと思います。
そうなんですよね~。
私も見る前は暗くて重いイメージがあったんですが
いきなり笑わせられたというか、不意をつかれた感じで…
しかも美しくて厳かで
見終わったあとの気持ちが清々しかったです。
登場してきたどの人の気持ちもわかるし
エピソードも良かったですね。
akiさんにコメントいただいて、また映画のことを思い出しています(^^)
2009/02/17(火) 18:07:37 | URL | [ 編集]
トラックバックURL
http://salt1g.blog20.fc2.com/tb.php/790-95326f82
映画館にて「おくりびと」
滝田洋二郎監督作品。第32回モントリオール世界映画祭グランプリ受賞作品。
おはなし:楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきた大悟(本木雅弘)は好条件の求人広告を見つける。社長の佐々木(山崎努)に即採用されるが...
2008/09/21(日) 21:33:58 | ミチの雑記帳
映画「おくりびと」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:本木雅弘、広末涼子、吉行和子、余貴美子、笹野高志、山?努、他 *監督:滝田洋二郎 *脚本:小山薫堂 *音楽:久石譲 *撮影:浜田毅 *照明:高屋齋 *録音:尾崎聡 *美術:小川富美夫 *編集:..
2008/09/22(月) 04:31:28 | 映画レビュー トラックバックセンター
□作品オフィシャルサイト 「おくりびと」□監督 滝田洋二郎 □脚本 小山薫堂 □キャスト 本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、杉本哲太、吉行和子、笹野高史、峰岸徹、山田辰夫
■鑑賞日 9月14日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★★☆(5★?...
2008/09/22(月) 22:34:25 | 京の昼寝~♪
キレイになって、
逝ってらっしゃい。
製作年度 2008年
上映時間 130分
脚本 小山薫堂
監督 滝田洋二郎
音楽 久石譲
出演 本木雅弘/広末涼子/山崎努/余貴美子/吉行和子/笹野高史/杉本哲太/峰岸徹
一見近寄りがたい職業、納棺師に焦点を当て、重くなりがちなテーマを軽...
2008/09/23(火) 02:27:35 | to Heart
JUGEMテーマ:映画
2008年9月13日 公開
いってらっしゃい また、逢いましょう
1ヶ月フリーパスポートで7本目
もっ最高っでした!!!
とにかくすごい!素晴らしい!完璧です!
ちょっと意外だったのは、この作品ってもっと地味で重い...
2008/09/23(火) 16:26:03 | UkiUkiれいんぼーデイ
人気ブログランキングの順位は?
人は誰でも、いつか
おくりびと、おくられびと。
キレイになって、
逝ってらっしゃい。
2008/09/24(水) 00:07:12 | ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!
製作年 2008年 製作国 日本 時間 130分 公式サイト www.okuribito.jp/ 公開日 2008-09-13 監督 滝田洋二郎 出演 本木雅弘 広末涼子 余貴美子 吉行和子 笹野高史 杉本哲太 峰岸徹 山田辰夫 橘ユキコ 山崎努 ストーリーはコチラ 今日は時間が出来たので「映画でも...
2008/09/24(水) 00:32:23 | ブラトラ館(太田千晶応援blog seesaa支店)
何気にカレンダーの印が気になった。
2008/09/25(木) 01:47:15 | ネタバレ映画館
いい映画らしい、と聞いていたので、見てきました。 ネタバレは、、、多分無しです。。 一言で感想を言うと、「見てよかったなぁ・・・」と しみじみ思える映画でした。 思いっきり泣くつもりで行ったんですけど、 前半は意外にもクスクス笑えるシーンが多くてビックリ&...
2008/09/25(木) 17:31:56 | 霞の気まぐれ日記
【監督】 滝田洋二郎 【脚本】 小山薫堂 【音楽】 久世譲
【公開】 2008/09/13 【上映時間】 2時間10分 【配給】 松竹
...
2008/09/25(木) 17:59:05 | +++ Candy Cinema +++
~キレイになって 逝ってらっしゃい~予告編で、チェロの音に惹かれ、行ってきました。2008年 日本 松竹配給 (08.9.13公開)モントリオール世界映画祭グランプリ受賞作品[監督]滝田洋二郎[脚本]小山薫堂[音楽]久石譲[出演]本木雅弘・・・・小林大悟(元チェロ?...
2008/09/25(木) 21:36:19 | NAOのピアノレッスン日記
おくりびと
監督: 滝田洋二郎
出演: 本木雅弘、山崎努、広末涼子、余貴美子、吉行和子
公開: 2008年9月
モントリオール世界映画祭グ...
2008/09/27(土) 23:42:49 | 映画@見取り八段
「おくりびと」を観てきました~♪
楽団のチョロ奏者、小林大悟(本木雅弘)は、突然楽団が解散したことから、チェロを棄て故郷の山形に帰る決心をした。新聞で見つけた求人募集の広告を読み面接に向かった。社長の佐々木(山崎努)に即採用された大悟、仕事内容を聞く...
2008/10/02(木) 07:10:05 | 観たよ~ん~
おくりびと (小学館文庫 も 3-4)
見ました。
とても神聖なものを見たような感じです。
もっくんがすごく素敵だった。
納棺をするために亡くなった方に施す死化粧や死に装束を
これほどきれいに仕立て上げるのってすごいなぁ。
ってうっとりと見とれてしまうほどで...
2008/10/02(木) 18:15:28 | Simple*Life
「おくりびと」★★★★☆オススメ
本木雅弘 、広末涼子 、山崎努 主演
滝田洋二郎 監督、2008年、130分
高校生のときにボランティアで
老人ホームへお手伝いをしに行っていて、
誰も尋ねてこないおばあさんが急に亡くなった時、
知らせを受けて駆けつけてき...
2008/10/02(木) 23:19:34 | soramove
第32回モントリオール世界映画祭グランプリ受賞作品
脚本 小山薫堂
音楽 久石譲
監督は滝田洋二郎監督
2008/10/03(金) 16:47:27 | ドラ☆カフェ
私の弟は葬儀会社に勤務しておりまして、1級葬祭ディレクターという厚労省認定資格ホルダーでもあります。だからこの映画、「笑って泣ける」と大評判になる前から気になってはいたものの、なかなか観に行く時間がありませんでした。
2008/10/13(月) 11:45:20 | 音次郎の夏炉冬扇
試写会に行く予定だったのですが
仕事が入ったので妹に行ってもらいました。
観てきた彼女は大絶賛!!
じゃあ、映画館で観ておく?
というわけで映画館へ。
楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、
妻と共に故郷の山形に帰ってきた大悟は、
新聞で“旅のお手伝い...
2008/10/23(木) 15:45:56 | 映画、言いたい放題!
▼動機
連れてってと言われたので
▼感想
美しき日本の様式美
▼満足度
★★★★★☆☆ なかなか
▼あらすじ
楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきた大悟(本木雅弘)は好条件の求人広告を見つける。面接に向かうと社長の佐々木(山崎努?...
2008/10/24(金) 07:17:24 | 新!やさぐれ日記
夢を諦め故郷に戻ったチェロ奏者は、 遺体を棺に納める『納棺師』になった。
2008/12/30(火) 22:34:44 | 三毛猫《sannkeneko》の飼い主の日常
滝田洋二郎監督の作品って初めて観ました。 山崎務さんは本当に素敵な俳優さんですね
2009/02/10(火) 09:50:09 | オヨメ千感ヤマト
「納棺師」の美しい所作と、バックに流れる美しいチェロの音楽。涙と笑いのバランスがよく、見終わった後は、心が温かくなる感じがしました。
2009/02/17(火) 00:42:45 | 華流→韓流・・・次は何処?
こちらずっと気になっていた作品なかなか見ることが出来なかったんですがやっと映画館で見ることができました予備知識はアカデミーをとったことと納棺師のお話ということぐらいだったんですが思わず泣いてしまいました自分はあまり感動して泣く方ではないのですが、何でこ...
2009/03/02(月) 19:25:13 | にき☆ろぐ
◆本木雅弘さん(のつもり) 本木雅弘さんは、映画『おくりびと』に小林大悟 役で出演しています。 第81回アカデミー賞外国語映画賞、および第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品ということで、先日、遅ればせながら劇場に観に行きました。 ●導入部のあらすじと感想
2009/03/04(水) 00:57:54 | yanajunのイラスト・まんが道
いのち芽吹く物語。
2009/03/04(水) 12:19:21 | Akira\'s VOICE
ひょんなことから遺体を棺に納める“納棺師”となった男が、仕事を通して触れた人間模様や上司の影響を受けながら成長していく姿を描いた感動作。監督には『壬生義士伝』の滝田洋二郎があたり、人気放送作家の小山薫堂が初の映画脚本に挑戦。一見近寄りがたい職業、納棺師...
2009/04/05(日) 14:02:03 | サーカスな日々
9-17.おくりびと■製作:松竹■製作年・国:2008年、日本■上映時間:130分■鑑賞日:2月18日、新宿ジョイシネマ(歌舞伎町)■公式HP:ここをクリックしてください□監督:滝田洋二郎□脚本:小山薫堂□製作:信国一朗□プロデューサー:中沢敏明、渡井敏久□...
2009/05/20(水) 07:14:46 | KINTYRE’SDIARY
言わずとしれた、第81回アカデミー賞 外国語映画賞 受賞他、幾多の受賞に輝く作品
ひとあし先にこの作品を、公民館で見た親戚のおばちゃんが「あんな男前に送ってもらいたいものやねぇ」と笑ってて、思わずウケてしまいました。
誰もが指摘するよう、本木雅弘の所作...
2009/08/15(土) 15:54:15 | のほほん便り
あらすじ所属する東京のオーケストラが解散し職を失ったチェロ奏者の大悟は演奏家を続けることを諦め妻の美香を連れて故郷の山形に戻ってくる。早速、求人広告で見つけたNKエージェントに面接に出かけ、その場で採用になるが、それは遺体を棺に納める納棺師という仕事だ...
2009/08/21(金) 07:50:05 | 虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ
監督:滝田洋二郎
出演:本木雅弘、広末涼子、杉本哲太、吉行和子、余貴美子、笹野高史、山崎努
評価:93点
いまさらながらDVD鑑賞。
泣いた。久しぶりに号泣した。
一人で見ていてほんとによかった。これが高校生の娘と一緒だったらどれほど困っていたか。
...
2009/09/14(月) 23:26:27 | デコ親父はいつも減量中
監督:滝田洋二郎(あれ? 俺とっちゃたよ)
出演:本木雅弘(いいだしっぺ)広末涼子 山崎努(いぶし銀)
出演:余貴美子 笹野高史 峰岸徹 吉行和子 杉本哲太
「安らかな旅立ちのお手伝い」をする納棺師のお仕事を始めた
一人の男。最初は戸惑うが、?...
2009/09/15(火) 13:45:49 | おそらく見聞録