遅くなりましたが
「あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった」
―カウラ捕虜収容所からの大脱走―
を、見ました。感想です。
脱走のときにそれぞれが所持した道具。
鉄条網の上にかけられた毛布。
焼け落ちたハット―
実話を元に作られていることはわかっていましたが
エンドロールで映されたその写真が語る事実に
言葉がありませんでした。
山崎努さん演ずる朝倉憲一が
たくさんの人たちが行き交う交差点の真ん中に立ち止まり
二郎さんが作ってくれた野球帽を被ってむせび泣くラストシーンに
一番、泣けました。
「生きて虜囚の辱めを受けず
死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」
捕虜となって生きるのは恥。
自ら死を選ぶことが軍人とされてきた彼らにとって
オーストラリアの捕虜収容所での生活は
最初は受け容れがたかったこと。
複雑な思いを抱きながら毎日を送る彼ら。
やがて捕虜たちが二分化されることになって
死ぬために脱走する計画に
トイレットペーパーを使っての投票が始まって…。
立派に闘って死んだと思いたい二郎さんの家族。
彼から託された妻への手紙は渡すことができず
何十年もの思いを一人で抱えてきた憲一。
時が経ってようやく手紙を届けることになったとき
かつて訪れた「テーラー嘉納」は今もなお、
二郎さんの妻が守り続けていたんですね。
こんなことが実際にあったんだなあと
それは毎年この季節がくると思うことではあります。
そして、こういう事実を知ることができるのは
それを知っている人が、生きているから。
大泉さんも小泉さんも阿部さんも好演でした。
いいドラマ…っていう言い方がいいのかどうかわからないけど
伝わるものが大きかったです。
見て良かったと思います。
2008/07/11(金) | スペシャルドラマ |
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