本のタイトルの意味するところは…
本来の生息地とは異なる場所で
苦しさを感じながら息を潜め生活する「魚」たち…
というようなことなのでしょうか。
この小説のモチーフになったというのは
今から約10年前に実際に起きた、とある事件。
当時、私の娘は6歳になる年で、幼稚園に通っていましたが
同じ年の子を持つ幼稚園児の母親が犯人だったというその事件に驚愕、震撼。
私の周りの母親たちのあいだでも話題になったことを覚えています。
小説は“フィクション”として綴られていますが
このお話に出てくる母親たちの生活、セリフや態度が何ともリアルで
自分が「幼稚園ママ」だった頃を思い出さずにはいられませんでした。
ああ~こういう感じの人いたなーと、登場人物を誰かにあてはめてみたり
逆に、自分はどのタイプに当てはまるんだろう?なんてことを考えてみたり…。
でも、次第にそんなことを考えられなくなるほどの気持ちになってしまいましたけど。
最初は子どもの年齢が同じということで知り合い
親しくなる母親たち。
そのうちだんだん壊れていく関係に
恐ろしいものを感じながらも、次が知りたくなる気持ちっていうのは
怖いもの見たさという客観的なものとはまた違う感情のような…。
実際の事件がモチーフになっていることに
怖さをじわじわと想像させられながらもページをめくる手が止まりません。
それからは一気に最後まで。
読み終わってみて、ふと手を止め
そしてページを遡ってみること数分。
あれ?あれ?何だったの??
その後に押し寄せたのは
言葉では言い表せない恐怖と喪失感と脱力感。
警鐘されているのは
そうした母親たちだけではないことも
感じ取れるお話であったと思います。
2010/04/15(木) | ドラマ雑感☆本 | トラックバック(0) | コメント(0)